茅葺きの特長

茅の厚みが50cmほど(奈良の標準的な民家)ある屋根を見ているだけでも夏は涼しく冬は温かいと感じる方もおられるのではないかと思います。
茅葺きの温度を体感された方は少ないと思いますが、和瓦葺きと比べれば、はっきりと温度の違いを感じます。
断熱性と通気性は、現代の改良された屋根材にはない効果があり、雨の音などもほとんど聞こえないぐらいで、以上の特長からでは理想の屋根材と思います。また環境にも優れているのは、自然に自生した自然素材を用いて葺き、後の葺き替えで出た古いのは、畑の肥やしにして、土にかえすといった自然と共生するサイクルで人間と地球環境を守ってくれます。

時代は変わり、利便・機能性ばかりを求めた製品で文化生活を勧めていく今の暮らしは一方で、環境破壊を進めていることになっています。特長ばかりになりましたが、最大の欠点は、火災に弱く類焼しやすいことから、江戸時代には茅葺きを禁じた地域もありました。その頃から瓦の普及も早まり次々と姿を消していくようになった様です。

今では茅葺きの家は少なくなる一方で、全国でも限られた所でしか見かけられなくなってきましたので、文化的価値が高い茅葺きの家の保存の為に自治体が茅葺きに助成金を出している所が増えてきています。
また建築基準法も保存の為に規制区域を緩和して茅葺き屋根の新築の道を開きました。

茅葺きの実物をご覧になりたい方は、奈良県立民俗博物館で保存した茅葺きの家を見ることが出来ます。

すこやか暮らし通信 , , , , , この投稿のパーマリンク