すずめ口

 建築物には、変わった名称がつけられた用語が多く、建築に携わっている人でも

初めて聞いた時は、どのような訳で、このような名称がついているのかと不思議に思います。

 今回のテーマである鳥から取った名称の他には、魚・虫・小さな動物から大きな動物と、

生物から取った名称がたくさんあり、特に、伝統建築・社寺建築に数多くあります。

 すずめに口をつけた名称の訳ですが、その前に、建築のどの場所に当たるかといえば、

和瓦葺屋根の軒先に使用する唐草の瓦の下にある隙間で、

一枚一枚横に並んだ継ぎにできた三角形の間口にあたる所になります。

 幅6cm、高さ5cmほどの間口ができ、奥の方まで空間が広まっています。

下から軒先を見上げて見ようと思っても、軒樋がすずめ口の真前に取り付けるので、

見えませんが、真下からでは、どの辺かわかります。

この様な小さな空間に巣を作り、出入りをしているところから、

すずめ口となっています。

 この様な所に巣をさせるのは、家の為によくないので、巣をさせない様にするには、

しっくで塗りつぶしたり、唐草瓦の形にU型に彫った瓦座という木を作って、

その木の上に唐草瓦をのせ、隙間を作らない様にする時もあります。

一般の住宅建築でもしますが、社寺建築ではするのが通常になっています。

 今回のテーマの用語の意味すぐ理解してもらえますが、建築用語には、

道具・木材・金物・工法などにも専門用語や通俗語も非常に多く、

見習いの職人さんが仕事をしながら覚えるのには、数年かかると言われています。

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