樹木には、針葉樹と広葉樹の二種類ありますが、
その中でも広葉樹であるケヤキの名はよく耳にしていると思います。
樹木の王座とも云われるのは、他の樹木にはない
優れた特長を持っているからです。
解りやすい所では、社寺でよく使われているのは、他の樹木より強いからです。
柱に使えば重い荷重に耐えられる立ての圧縮強度が強く、
梁に使えば重い荷重に耐えられる曲げの強度が強いです。
社寺建築の様な屋根の重みが一般住宅より桁違いに重い建物には適しています。
使われていた時代は、1,200年~1,300年前の社寺建築に使用例があり、
長期的な寿命を必要とする建物には適しています。
ケヤキは重くて堅くて強いだけではなく、見た目の木筋、色目は
他の木にはない美しさにインパクトがあります。
なおその上に十年、百年と年数を重ねることで、色艶もよくなるという
他の木にはない特長がありますので、ケヤキは高級家具として重用されています。
こぼれ話になりますが、ケヤキを使わされたら、刃の切れやんだ電動ノコギリでは、
切れずに煙が上がり、ノミやカンナも切れやんでいれば、切れ味が悪く、
くいつかないので、刃の手入れに手がかかり大工泣かせと云われています。
また、社寺の彫刻にケヤキを使用すると、ほり士の方が、
桧や楠より堅くて手間が掛るというだけで、三割アップの割り増しを要求してきます。
こういう職人泣かせの木であるのも一つの高級材として木の王座になっているようにも思います。