変木(へんぼく)

 皆様、変木という言葉をご存じですか。
変木といえば、皆から嫌われモノの木のように思われ、
使い道のない木にイメージされるのが一般的だと思います。
 今では、変木も時代の流れで、建築の内造りの洋風化と
和室のシンプル化で、あまり使わなくなりましたので、
建築業界からも変木という言葉を交わすことも少なくなってきています。
 その様な変木とは、どの様な形をしているのか説明しますと、
嫌われる様な木ではなく、ひねりあめの様にねじれたり、
通常の丸太の様にスラッとしておらず、でこぼこしていて、
くぼみと出っ張りの樹皮のコントラストが見られます。
初めて見た方は、パッと見にはおもしろい木だなと感じると思います。
 それでは変木が、どの様な育ち方で造られたかですが、
天然のものは、人の手は一切加えられず、自然環境の影響を受けて
出来たものです。成長期の木に、つるがクルクルと上のほうへ
回りながら絡んだり、木と木が絡んだ状態で育ったりした場合です。
他には、急斜面の岩場の絶壁の様な所で育って造られる場合です。
風当たりが強く、岩場では、木が育つ土壌になっていませんので、
スラリと上に伸びず、まん丸ではなく、くぼみや出っ張りがあったり
曲がったりしています。樹皮もついていなかったりするところがあるのも、
きびしい自然環境の条件から出来ています。
 変木は、我々の目を楽しませ、遊び心をかきたててくれる
一つのアイテムとなります。特に木の好きな方には、いやし効果もあり
ますので、内装のワンポイントに使うとおもしろいです。

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