煉瓦のアーチを施した玄関口には、ドアにはパイン材を使用した木製ドアを用いて、風格ある雰囲気を作りました。
外壁には、北米産の良質な粘土を、高温焼成した高品質な土煉瓦を用いました。
室内の明かりとりには、幾何学模様のステンドガラスを使用しました。
リビングの吹抜けからは、縦長のスリット窓より均斉的に光が差し込み、柔らかい光に包まれます。
明るく大きな部屋があり、なおかつエネルギーを抑えた住宅を計画する上で大事なのは、いかにして自然の明かりを取り入れ、夏は熱を入れず冬には熱を逃がさないように計画するかが重要でした。
断熱・気密・計画換気はもちろんのこと、窓からの日射熱の出入りを抑えるため、東南面に開口部を計画し、西面には開口部を設けないことで西日を防ぎます。
東南面の開口部には、夏場の太陽高度が高い時期は庇で日射を防ぎ、冬場の太陽高度の低い時期には日差しが差し込むよう庇の出幅を計画しました。
白色の粘土を高温焼成したブロック煉瓦を外部周りに積み、重厚な雰囲気を作りました。
白を基調とした内部空間は間仕切りを設けないワンルームで、奥行きと広がりを感じます。
書斎にはロフトを設け、化粧梁や無垢のスギ板で天井を仕上げることで遊び場のような空間を演出しました。
和室には琉球畳やスリット窓を用いモダンな和室空間としました。
家族の集まる1階はワンルームのような大空間にというプランでしたが、家族数が多いのもあり、ただ単純に一つの空間とすることではプライバシーを確保することが難しいと考え、部屋を少しずつずらすことで適度な死角を作り、同じ部屋にいながらも気配は感じれるが存在があまり気にならないようなプランニングを心がけました。そうすることで1階はパブリックな空間、2階はプライベートな空間と使い分けができるつくりとしました。